「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究」の第2次調査と, 第3次から第7次調査に1回以上参加し, 第2次調査でMini-Mental State Examination (MMSE: 0-30点) が28点以上の男性298人, 女性272人 (60歳以上) において, 3日間食事秤量記録から算出した短鎖 (炭素数4-7) , 中鎖 (8-10) , 長鎖 (12-22) 脂肪酸摂取量と8年間の認知機能得点低下 (MMSE27点以下) との関連を一般化推定方程式により検討した。多変量調整後, 短鎖 (181 mg/日) または中鎖脂肪酸1 SD (232 mg/日) 上昇に伴い, 認知機能低下のオッズ比は0.86 (95%CI: 0.75-0.98) または0.84 (0.74-0.95) と低値を示し, 長鎖脂肪酸では0.89 (0.76-1.04) であった。短鎖および中鎖脂肪酸摂取は認知機能得点低下リスクを軽減しうる可能性が示唆された。