リカレントニューラルネットワークは,その構造およびユニット間の接続重みのパラメータを適切に設定することで,時系列データに対して高い精度の予測が可能であるが,多数のユニットから構成されるリカレントニューラルネットワークの構造を最適に設計することは難しい.また,ニューラルネットワークの予測能力は学習用データに対する誤差の最小化だけではなく,学習に使用されない未知のデータに対する汎化能力が必要である.本論文では,効率的近傍探索が期待できるタブー探索を用いた,汎化能力の獲得も考慮したリカレントニューラルネットワークの構造最適化手法を提案する.いくつかの時系列データに関するベンチマーク問題を用いた実験により,提案手法は,遺伝的アルゴリズムを用いた従来手法と比べて同等あるいはより優れた手法であることを示す.