生食用ジャガイモ品種の低温貯蔵による糖増加特性を解析した.品種によって糖の増加程度が異なること,特に「インカのめざめ」「インカのひとみ」は長期低温貯蔵で糖が顕著に増加することが明らかとなった.増加した糖組成の解析から「インカのめざめ」は「ショ糖増加型」,「キタアカリ」は「還元糖増加型」,「ノーザンルビー」は両タイプの中間的な特性を持つ品種であることがわかった.「インカのめざめ」においては,二地点の圃場で収穫された塊茎でも同一カ所の低温貯蔵で1ヶ月以降同程度の糖増加が見込めること,低温貯蔵出庫後,室温におくと1週間程度で増加した糖の40%弱が,1ヶ月後までには50∼70%強が消失すること,1週間後までに室温から低温に戻せばその後3週間程度で出庫時の80%程度まで糖量を回復できることが明らかとなった.