乾麺の製麺,茹で調理における放射性セシウムの濃度,加工係数Pf,および残存割合Frを調べ,乾燥処理が放射性セシウムの動態に及ぼす影響を評価した.製麺加工では乾燥処理により水分が蒸発するため,放射性セシウム濃度の低下は認められず,加工係数Pfは太麺(1.8mm×3mm) 0.935,細麺(1.1mm,丸麺)0.977となった.一方,適正な茹で調理により,太麺·細麺ともに放射性セシウム濃度は茹でる前の1/10以下になり,麺に含まれる放射性セシウムの80%以上が茹で麺から除去されることが示された.今回の乾麺の茹で調理における放射性セシウムの動態は,我々がすでに報告している生麺の茹で調理の動態と同程度であったことから,製麺加工時の乾燥処理は,茹で調理における放射性セシウムの動態に影響を及ぼさないことが明らかとなった.