アロニア( Aronia melanocarpa E.)およびハスカップ( Lonicera caerulea L.)の果実には,アントシアニンが豊富に含まれている.これらの果実は,強い抗酸化性を有することが報告されており,活性酸素が関与する種々の病態に対して保護効果をもつ可能性がある.本研究では,アロニアおよびハスカップから調製したアントシアニン高含有抽出物(アロニアおよびハスカップ抽出物)の臭素酸カリウム誘発腎障害抑制効果を調べた.臭素酸カリウム投与後のラットの臓器重量を測定した結果,アロニアおよびハスカップ抽出物を摂取させたラットでは,腎組織重量が対照群と比べて有意な低値を示した.また,腹部大動脈血清成分分析においてもアロニア抽出物投与群では,対照と比較して腎障害マーカーのBUNとクレアチニン値が有意な低値を示し,肝障害マーカーのAST (GOT)とALT (GPT)も有意な低下を示した.アロニアおよびハスカップ抽出物は,血清および腎組織中の臭素酸カリウム投与によるORAC値の低下および腎組織中のTBARSの増加を軽減した.これらの結果から,アロニアおよびハスカップ抽出物は,臭素酸カリウム誘発腎障害·肝障害に対して抑制効果を示し,この抑制効果はアロニアおよびハスカップ抽出物が生体内で強い抗酸化性を発揮したことによることが示唆された.