従来の研究では,再確認傾向の高い者が対人ストレスイベントを経験しやすく,さらに抑うつを悪化させやすいことが報告されている。しかし,再確認傾向と対人ストレスイベントとの関連を詳細に検討した研究はほとんど認められない。本研究では,対人葛藤,対人劣等,対人摩耗という対人ストレスイベントの三つの側面に対する再確認傾向の影響を検討した。そして,対人ストレスイベントが,再確認傾向から抑うつに対する影響を媒介するかについても検討した。102名の大学生が第1回調査(Time 1)と3週間後の第2回調査(Time 2)において質問紙に回答した。その結果,対人劣等が,再確認行動から抑うつに対する影響を媒介した。大学生の抑うつを予防するために,再確認傾向やそれに伴い発生する対人劣等を改善することが重要である可能性がある。