目的: 屋外作業場において,粉じん取扱作業者の呼吸用保護具の使用状況を明らかにすることを目的とした. 方法: 屋外において,アーク溶接作業等の粉じん作業に従事する男子作業者38名を対象とし,作業者が作業終了後,着用していた呼吸用保護具の選択,使用,メンテナンス,フィットネス,保管場所,使用に関する教育の有無について聞き取り調査を行った. 結果: 屋外作業において呼吸用保護具の着用は法令で定められていないにも関わらず,対象者は全員,型式検定に合格した防じんマスクを着用していた.弁・しめひもの点検,顔と保護具の面体との密着性,保護具を装着する時,および保管場所について,適正な使用に関する教育の効果が認められた.しかし,ろ過材の交換については,適切な判断基準や頻度に関する教育の効果は見られず,充分な教育が必要であることがわかった.以前の調査結果と比較すると,適切な使用・保守管理について,より進められていることが確認された.接顔メリヤスについては,教育の効果は見られないものの,以前の調査結果と比較すると,その使用率は73%から21%まで低下していた. 考察: 今回の調査結果から,保護具の選択,使用,メンテナンス,および保管について,さらなる徹底した教育が重要であることが示唆された.