厚生労働省通知「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に準じて,その前処理工程をFASRAC (Food Automatic Analytical Systems for Residual Agricultural Chemicals)を用いた場合と手作業(公定法)の場合について,302種類の農薬を対象に,農作物として小麦粉,大豆,ほうれん草,りんごを選択し,添加濃度0.01 mg/kgで妥当性評価を実施した.それぞれの農作物において,真度,併行精度および室内精度ではFASRACを用いた分析法は,手作業による分析法(公定法)と比較して同等以上であった.特に大豆における真度では,FASRACの前処理方法のほうが手作業(公定法)より優れていた.