抗インフルエンザ薬であるアマンタジンのLC-MS/MSによる確認・定量法を開発した.鶏筋肉,鶏肝臓,鶏砂肝および鶏卵からアセトニトリル–マキルベン緩衝液(pH 3.0)7 : 3混液で抽出し,Oasis® MCXにて精製後,LC-MS/MSで測定を行った.精製カラムとして逆相–強陽イオン交換ミックスモードカラム,HPLCカラムとしてHILICカラムを用いることで,4種類の試料いずれにおいても絶対検量線での定量が可能となった.妥当性評価ガイドラインに従い,添加回収実験を行った結果,4種類の試料について真度79.3~91.7%,併行精度3.3%以下,室内精度8.4%以下の良好な結果が得られた.定量下限値は,鶏筋肉,鶏卵および鶏砂肝では1 ng/g,鶏肝臓では10 ng/gとした.