高齢・過密な状態において上層間伐と下層間伐が行われたヒノキ人工林 2 林分について,間伐後 8 年間の林分構造と直径成長量を調査し,間伐がこれらに及ぼす影響を調べた。間伐後,両林分の形質優良個体の密度は 300 本・ha-1 であったが,上層間伐林分では形質不良個体の割合が高かった。 間伐によって平均形状比は下層間伐林分では低下し, 上層間伐林分では上昇した。 間伐後の胸高直径の年相対成長率は 0.70~1.17%・年-1 で,間伐前のそれに対し 0.2~0.5% の改善が認められた。これまで積極的な密度管理が行われてこなかった高齢・過密林においても,胸高直径への間伐効果がみられる場合がある。