主要な国産果実であるウンシュウミカンの消費拡大に貢献するため,果実の新鮮な風味を生かしつつ,かつ,剥皮不要で手軽に食べやすい果肉加工品の開発を目的として,内皮の酵素剥皮の処理条件を検討した.内皮をポリガラクチュロナーゼ活性主体の酵素剤で低温処理することで,果肉の身割れによる損失を回避しつつ,フレーバーおよび糖,有機酸,アミノ酸の組成が生の果実に近い剥皮果肉を調製できることを明らかにした.従来の薬剤剥皮に対する差別化の方策の一つとして,低温酵素処理による果肉本来の風味を生かした剥皮加工が有効であると考えられた.