本研究では「学習に対する認知的・行動的・情緒的側面からなる態度」に着目し, 中学・高校生( N =1361)を対象に尺度を作成し, 因子構造と信頼性・妥当性, 中学生と高校生の差異, およびプロフィールの特徴について検討した。その結果, 認知的側面では「関与肯定」「コスト受容」「遂行目標の重視」の3因子が, 行動的側面では「習慣的な積極行動」「テスト課題対処」「対処回避」の3因子が, 情緒的側面では「充実感」「統制感」「学習の不安」の3因子が見出され, 一定程度の信頼性と妥当性を確認した。また中学生はポジティブな態度と対処回避の負の関連が強く, 高校生はテスト課題対処と遂行目標の重視および学習の不安との正の関連が強いこと, 遂行目標の重視は高校終盤で下がること, 概ね学年が進むにつれて習慣的な積極行動とテスト課題対処は低くなること, 学校移行期あたりは充実感と統制感は低く学習の不安は高いこと, 中学生の間にポジティブな態度を持つ群は減少してしまうこと, 高校生になると学習のネガティブ感情を持つ群は減ると同時に学習以外のことに関心を持つと推察される群は増えること等が明らかとなった。