本研究では, 体型に関するメディアの情報を受けた個人が, その影響から痩身理想をどの程度内在化しているかを評価するSociocultural Attitudes Towards Appearance Questionnaire-3 Revised(SATAQ-3R ; Thompson, van den Berg, Keery, Williams, Shroff, Haselhuhn, & Boroughs, 2000)の日本語版を作成し, 大学生の痩身理想の内在化とメディア利用頻度との関連性について検討した。研究1では, 男女大学生1,054名を対象に調査を実施し, 29項目(4下位尺度)の日本語版SATAQ-3Rを作成し, 尺度の信頼性と妥当性を確認した。研究2では, 男女大学生998名を対象に日本語版SATAQ-3Rとインターネットやテレビ, 雑誌といったメディア利用頻度との関連性を調べた結果, 男性より女性のほうが, メディアの影響を受けて痩身理想を内在化し, メディア情報を重要だと考え, 外見に関するプレッシャーを感じていることが示された。一方でスポーツマン体型への内在化は女性より男性のほうが高いことが示された。また, メディアのうち特にテレビと雑誌が大きく影響を及ぼす可能性が示され, わが国の摂食障害患者の増加を防ぐためにも, 学校教育におけるメディアリテラシー教育の重要性が示唆された。