養殖アユの体色と食味の改善および柿ワイン残渣(PR)の有効利用を目的として,PRを配合した飼料(PR区)でアユを飼育した.アユ背肉の脂肪酸組成は,対照区(市販飼料)とPR区の間に有意差は見られなかった.黄色斑および背びれ,腹部,尾びれの色調を測定したところ,対照区に比べPR区のアユ体色は有意に向上した.また,対照区に比べPR区では,魚体の外観のきれいさや食味等の評価点が高かった.全体(総合)評価では,有意差は認められなかった.以上の結果から,PRの有効的利用法として,アユ飼料への配合は特にアユの体色および食味等の嗜好因子の改善に繋がることが示唆された.