引用傾向(論文あたり参考文献数や引用年齢分布)の経年変化及びそれが自然科学分野の雑誌インパクトファクター(JIF)に及ぼす影響について分析した.対象をJCR2001~2009に継続して掲載されている4463誌に限定し,雑誌の入れ替わりの影響を除いた.自然科学分野全体では,論文あたり全参考文献数は増加していたが,JIFの算出対象となる前2年参考文献数の増加は微少で,引用年齢が高い参考文献が増加していた.JIFの変化は,前2年参考文献数と論文成長率の両方の変化の影響を受けているが,後者の影響がより強い.分野別にみると,論文あたり全参考文献数は全分野で増加したが,前2年参考文献数は分野によって増減がみられた.分野間のJIF変化率の違いに最も強く影響を与える要因は論文あたり前2年参考文献数変化率,次いで論文成長率変化率であり,分野間引用の影響は小さかった.