本研究では,高校卒業生の無目的な大学進学に起因する大学での退学者問題への対応を例に,ソフトコンピューティング技術に由来するデータマイニング技法を活用して問題解決にあたる手法について報告する.高校卒業生の無目的な大学進学を減少させるには,高校教育現場において,高校生のキャリアに対する認識を適切に変容させ,大学進学に対するモチベーションを高める必要がある.効果的にこの教育を実施するためには,生徒の特徴により異なる適切なキャリア認識の変化を把握し,教授設計を行うことが望ましい.そのため本研究ではサポートベクタマシン(SVM)および勾配計算を活用して上記の問題を解決する.具体的には,独立変数をキャリアに対する認識,従属変数を大学進学に対するモチベーションとしてSVMを構築し,そこで得られるモチベーションを近似する関数の勾配を計算することで,モチベーションが向上する方向ベクトルを得る.その方向ベクトルに依存した教授設計を行うことで,モチベーションの向上に繋がる教育の実施が期待できる.本論文では上記手法の詳細およびその手法を用いて作成したプロトタイプについて述べる.なお本論文では,研究遂行上の具体例として,高校生の一般的なキャリア選択のひとつである理系分野を対象とした.