粉末食品では,微粉末の状態では流動性が低く凝集性が強いため,充填・計量や飲食品時の溶解性で問題が生じる.その解決策として微粉末を造粒し,顆粒を形成させることが行われている.造粒する技術の1つである流動層造粒では,粉末に水溶液バインダを噴霧して粒子を結着させ顆粒を生成するが,顆粒の加水量の増加は製品の品質変化や乾燥工程の長時間化の原因となる.我々は流動層造粒のバインダとして,アクアガスバインダ(水蒸気-水二相バインダ)を用いた効率的な造粒技術の開発を行った.コーンスープにおいてアクアガスバインダでは,従来の液体バインダと比較して30%程度の少ない加水量で同等の顆粒が形成された.また,造粒した顆粒の特性も液体バインダと比較して流動性や溶解性に優れていることがわかった.