LC-MSによる農産物中のブトロキシジムの分析法を開発した.アセトニトリルで抽出した試料抽出液をオクタデシルシリル化シリカゲル(C18)カートリッジカラム(1,000 mg)で精製後,塩析で水を除去した.続くシリカゲル(SI)カートリッジカラム(690 mg)による精製の前に,酢酸エチル, n -ヘキサンおよび無水硫酸ナトリウムを順次加え,高極性の夾雑成分を析出沈殿させ,ろ別する操作を行った.本操作により,茶のカフェインやカテキン類が効果的に除去され,真度が向上することが明らかとなった.検討した12農産物(玄米,大豆,ばれいしょ,ほうれんそう,キャベツ,りんご,オレンジ,グレープフルーツ,レモン,トマト,未成熟えんどうおよび茶)のすべてで併行精度(RSD%)が5%以下となり,レモンを除く11農産物で真度が74~92%となり良好な結果が得られた.