印象管理の枠組みで痩身を考えた場合,体型印象管理予期も対象の種類によって異なる可能性が考えられる。そこで,本論文は,体型印象管理予期が対象によってどのように異なるかについて明らかにすることを目的とした。被調査者である若年女性は,買い物場面と海水浴場面の2つの場面における,親密度(友人,知人,他人)×対象の性別(同性,異性)の6種類の対象に対する体型印象管理予期についての回答をおこなった。分析の結果,体型印象管理予期の2側面である体型ポジティブ印象予期および体型ネガティブ印象予期の得点は,それぞれ,海水浴場面が買い物場面よりも高く,また,知人が他に比し高く,そして,異性の方が同性よりも高いことが確認された。そこには,評価の安定性や価値が関係していると考えられた。