近年,力覚的な相互作用を通した人間とロボットの協調動作の研究が多く行われている.その中でも人間の移動や重量物搬送をサポートする倒立二輪型ロボットが提案されており,当研究室でもユーザの意図に応じて制御パラメータを変更するスーツケース型倒立二輪型ロボットの研究を進めてきた.ユーザが力覚的にこのロボットを操作することによって,ロボットがユーザの意図を認識し,認識した意図に応じて制御パラメータを変更し,搬送作業をサポートする.しかし,ロボットの操作方法はユーザによって異なるため,各ユーザの嗜好に合わせ,意図認識パラメータや制御パラメータを学習させる必要がある.また,先行研究では,ユーザがスーツケースを運ぶときの操作動作の数は設計者の直感で決定していたが,意図認識システム上で認識させるべき操作動作の数は一般的に明確でない.本報告では,ユーザがスーツケース型倒立二輪型ロボットを操作した際に取得したセンサの時系列データをクラスタリングし,提案する意図認識システム上で妥当な操作動作数を検証する.また,ロボットにユーザの意図認識パラメータとそれに対応した制御パラメータを学習させる手法を提案し,実ロボットによる実験を通してその有効性を評価する.