本稿では,プログラミング教育支援用ツールであるP-CUBEの視覚障害者向けのシステム改良,および初学者に対するプログラミング学習用ツールとしての有用性を検証し報告する. P-CUBEは,視覚障害者を含むPC操作に慣れないユーザがプログラムの基本的な構造を学習するためのツールである.プログラム要素に対応した木製のブロックをプログラムの構造に応じて並べることで,ブログラミング対象を制御するプログラムを作成できる.これまで,視覚障害者を対象としたプログラミング体験授業などを通じてP-CUBEの問題点を洗い出し,ブロックのデザインやプログラミング操作手順の改善に取り組んできた.プログラミングブロックは視覚障害者が手触りで判別しやすく,また,はめ込み方向を知覚しやすいように改良した.改良したプログラミングブロックを用いたプログラミング体験授業を実施し,視覚障害者,晴眼者の双方から評価を得た.さらに,改良したP-CUBEと従来のプログラミングツールを比較するプログラム学習トレーニング実験を実施し,トレーニング期間やトレーニング後の被験者のプログラミング課題達成の様子,ツールの操作状況を分析,評価した.