味噌や納豆などの製造時に副生する大豆煮汁はその高いBODのために,処理は困難を伴っている。そこで,著者らは大豆煮汁に味噌麹(米)と協会酵母77号を用いてエタノール発酵を行った後,酢酸発酵を行うことにより,香味が良好で,発泡性が低下し,機能性を有した醸造酢を製造した。得られた醸造酢の機能性として,抗ラジカル,ACE阻害,AGE生成抑制,抗腫瘍,アポトーシス誘導などの活性を有することを明らかにした。さらに,アポトーシス誘導物質としてのCompound-6は,トリプトファンから酵母により生成されるトリプトフォールまたはその誘導体と推定している。本稿ではこれらについて詳しく解説頂いた。