玄米と分づき米(3分づき米,5分づき米,7分づき米,10分づき米)の炊飯調理における放射性セシウムの濃度,加工係数 Pf ,および残存割合 Fr を調べ,とう精の有無や糠の除去割合が放射性セシウムの動態に及ぼす影響を評価した.玄米を炊飯調理すると放射性セシウムの5%が除去され,放射性セシウム濃度は調理前の0.43倍となった.一方,分づき米の炊飯調理では,放射性セシウムの36-38%が除去され,放射性セシウム濃度は炊飯前の0.25-0.26倍となった.炊飯調理での加工係数 Pf と残存割合 Fr は,玄米よりも分づき米が有意に低い結果となったが,とう精割合による差は認められず,炊飯調理における放射性セシウムの動態には,とう精の有無は影響を及ぼすが,3分づきから10分づきの範囲であれば,糠の除去割合は影響を及ぼさないことが示された.