酒米47点,市販清酒および酒粕各25点中のカドミウム(Cd)濃度を測定した。試料は硝酸と過酸化水素を用いたマイクロ波分解装置により調整し,誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-AES)により分析を行った。測定した酒造用玄米,70%精白米および市販酒粕中のCd濃度は平均でそれぞれ29.9,25.3,154.7μg/kg,市販清酒中のCd濃度は1.29μg/ l であった。70%精白米中のCd濃度は玄米の約78%(7試料の平均値)となった。以上の結果から,精米工程によるCd濃度の減少効果は少なく,また原料米中のCdは清酒へはほとんど移行せず,酒粕に移行する可能性が示された。