人間文化研究機構では、2008年よりnihuINTという、機構を構成する6機関のデータベースの横断検索システムを提供してきた。その後、7年ほど経過し、データが大量になる中で、より効果的な情報発見が求められることとなった。そこで、プロトタイプとして、Linked Dataによるプロトタイプを作成し、実験に供している。特に荘園のデータベースという日本史の文献と、国文学の古典籍・緯度経度情報をマッチさせ、それぞれにリンクをはることで、より高度な情報発見を可能とできるように試みた。そのうえで、いくつかの実際の研究シナリオを作成し、人文系研究において効果があるかどうかの検証を開始しつつある。実際に情報発見の新たなモデルが提唱可能である見通しを述べると同時に、リンクの付し方など、大規模なデータベースとして実用可能なものとなる水準にするための、課題についても浮き上がってきた。