日本のサードセクターは東日本大震災に対応する主要なアクターのひとつとして社会的に認識されているが,その実態は不明瞭である.東日本大震災が戦後最大級の社会問題であることを考えると,これに対応するサードセクターの実態を把握することは日本のサードセクター全体に対する一定の現状認識を与えるだろう.本論では東日本大震災に対応する支援団体に対する数量調査結果を,特に法人格に注目することから分析し,社会問題に対応する日本のサードセクターの実態を明らかにした.分析の結果,震災に対応するサードセクターは特定非営利活動法人,任意団体,一般法人などから構成され,1団体当たりの支援への支出規模も大きかった.また,特に一般法人が個々人の自発性の器となり,震災に特化して対応していることが把握された.