科学雑誌に対する批判の高まりとともに,情報伝達のためのメディアは重要な問題となったにもかかわらず,わが国では,まだ研究が行なわれていない。そこで,メディア分析の一方法を提示するために,各種のメディアが,その発生・流通・利用に関わる人々に対して果たしている機能の分析,およびこれまでに現われあるいは提案された新しいメディアの検討が試みられ,メディア選択の際に考慮すべき要因が挙げられた。メディアの将来に関する議論をするには,その前に,これらのより深い研究,科学情報流通における協力の検討と責任分担の明確化,組織の分析,利用者研究などが行なわれる必要がある。このため,科学のコミュニケーションのさまざまな局面の科学的研究の必要性が説かれる。