図書館の蔵書が充実する中で,より利用しやすい目録ファイルを編成および維持するのに,目録ファイルが図書館サービスの基本を成しているだけに,多くの困難な問題をかかえている。欧米諸国では,電子計算機可読媒体目録データ・べース(磁気テープ・ファイル)の利用と並び,目録をマイクロ・フィルムに納め(マイクロ化)利用している事例が多い。特に,各図書館の蔵書を地域の共通の財として利用する考えの基に,目録をマイクロ化し配布し,相互利用のためのデータ・ベースとして利用している。わが国では,冊子体形式によるいわゆる総合目録こそ存在するが,共通に使用できる目録の作成までを考慮に入れた方式はとられていない。筆者らは,目録の作成およびそのマイクロ化について考える必要があるとして,まず欧米諸国の事例について,文献を基に調査・分析した。調査・分析には,Annual Review of Information Science & Technology(1966~1973年),Information Science Abstracts(1969~1974年),Library Literature(1964~1975年8月),Research in Education(1968~1971年)に対して文献調査を行ない,代表的な事例15例(一般:3事例,公共図書館:6事例,大学図書館:4事例,専門図書館:2事例)について分析を行ない,目録のマイクロ化システムの規模,利用,記入形式,フィルムの種類,作成方法等について検討を加え,目録とは,そしてそのマイクロ化とは,いかにあるべきかを提言した。