包括剤にデキストリン,脂質にリノール酸メチルを使用し,2つの乳化法(通常乳化法,および2段階乳化法)が脂質粉末化物の包括率におよぼす影響を検討した.調製した脂質粉末化物の包括率を比較したところ,2段階乳化法による包括物の包括率は通常乳化法によるものよりも包括率が高くなった.どちらのエマルションも油滴径分布はほぼ同様であったが,凍結過程での熱量変化に差異が認められ,2段階乳化法によるエマルションの発熱ピークは通常乳化法によるものよりも高温側にシフトした.このことから2段階乳化法によって調製されたエマルションは油滴がより分散した状態にあり,それが包括率に影響することが示唆された.