本稿は、生活・生存保障と教育の論理とのむすびつきを探るくわだてを教育福祉のチャレンジと捉え、教育福祉の系譜を戦後日本社会の流れのなかで追跡したものである。長期欠席問題に対処した1950年代の福祉教員の時代から、1980年代以降の「不登校」の時代に移るなかで、生活・生存保障と教育とがむすびつく条件は掘り崩され、教育福祉は拡散していった。少子高齢化のなかで迎えた教育の周縁化も、事態を一層困難なものに陥れかねない。この生活・生存保障と教育のむすびつきの危機を、教育における公共性の危機として捉える視点を提起した。