本稿の目的は、学校安全の教育実践におけるエビデンスの功罪について検討することである。そもそも学校安全において、エビデンスは活用されてこなかった(エビデンスの不在)。しかしエビデンスが活用されても、数値が誤読され、そのうえで施策が推進されることがある(エビデンスの罪)。科学的手続きにもとづいてエビデンスが慎重に用いられることが重要であり、こうして実質的な安全が達成されていく(エビデンスの功)。