κ-カゼインは, 70mM KClを含む10mMイミダゾール塩酸緩衝液pH 7.1中, 90℃ 10分間β-ラクトグロプリンと加熱することによって複合体を形成することができる。複合体の形成は, 4.6M尿素を含む上記緩衝液を用いてのセファアクリルS-300ゲル濾過とSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって確認された。κ-カゼイン中糖鎖の複合体形成への影響が, 70℃での加熱によって検討された結果, 糖含量大のκ-カゼイン画分ほど, 複合体形成能の大きいことが示された。この知見は, κ-カゼイン糖鎖の機能やロングライフミルクのゲル化機構の解明, さらには, 乳清たん白質の利用に役立つであろう。