1) 製粉段階において区分された4種のソバ粉, すなわち胚乳内部より胚乳周辺部に至るSF, 1F, 2Fおよび3Fの各区分のソバ粉中の脂肪酸, 無機質およびビタミンの分析を行なって, それらのソバ種実内分布状態について調べた。 2) ソバ粉の脂肪酸組成について調べた結果, ソバ粉各区分に共通していることは, パルミチン酸, オレイン酸, リノール酸が主要脂肪酸であり, ついでリノレン酸, ステアリン酸が多い。全脂肪酸の80~90%はC16およびC18脂肪酸であった。2F区分の脂肪酸組成が4区分中最も特異的で, C16酸, C15以下の酸, およびC20以上の酸が多く, C18酸は他の区分に比べて少ない。 3) ソバ粉4区分における7種の金属元素について分析した。その結果KおよびMgが各区分とも主要金属成分であり, かつ2Fおよび3F区分に最も多い。またFeも2F区分中に局在している。 4) ビタミンについてはB1およびB2の定量を行なったところ, 両者は2F区分中に最も多く, ことにB1は1mg%を越える値であった。またいずれの区分においてもB1量がB2量の約4倍強存在していた。