1) 日本人の常食する食品中のマグネシウム, マンガン, 亜鉛, 銅含量を原子吸光法で測定し, それらの値から計算により得られる食事献立中のこれらミネラル含量と, 実際に作製した食事の実測値との比較を行なった。 2) 食品材料中, マグネシウム含量の多い食品群は, 干物海草, 種実類であった。マンガン含量の多いのは茶葉, 干物海草 (昆布は除く) などであった。茶葉, ココア, 甲殻類, 種実類は亜鉛, 銅ともに高含量を示した。カキ (牡蠣) には亜鉛が, 軟体動物には銅が多かった。畜産製品, 油脂, アルコール飲料中には, これらミネラルは相対的に低値を示した。 3) 日常的な献立で作製した食事からのこれらミネラルの1日摂取量の見当としては, マグネシウム約250mg, マンガン約4mg, 亜鉛約30mg, 銅約2.5mgとなり, 調理した食事の中の含量の実測値と, 個々の食品中の含量からの献立表による計算値とは-33~+46%の範囲内の誤差であった。