前報においてAsAの定量法として細管式等速電気泳動法が応用できることを報告したので, 本報では食品中のAsAを実際に測定し, その実用性を検討した。その結果以下のことが認められた。 1) 試料の抽出には2%チオ尿素-0.01N塩酸を用いるとき, 回収率もよく短時間に泳動が終了することを認めた。 2) β-アラニン系リーディング液 (pH 3.6) の条件では食品中のAsAはGluとミックスゾーンを形成し測定が不可能となるが, このミックスゾーンは, α-ナフチルアミン系リーディング液 (pH 2.5) では, 分離できることを確かめた。なおβ-アラニン系リーディング液 (pH 3.6) の場合にも電位勾配検出器による同定と254nmにおける紫外部吸収を求める紫外部吸光検出器による定量を併用することによってAsAの定量は可能であることを確認した。 3) AsAとAAsAの分離は電位勾配検出器, 紫外部吸光検出器のいずれを用いても成功しなかった。