たん白質源としてカゼイン, 全卵たん白質, 大豆たん白質, 小麦グルテンおよび米たん白質を用い, 窒素含量を同一 (3.2%) にした飼料をラットに2週間与え, 空腹時血漿および肝臓脂質濃度を測定した。同時にコレステロール (CHOL) 1%あるいはさらにコール酸ナトリウム0.25%の添加効果を調べた。 1) カゼイン飼料群に比し, 大豆たん白質および全卵たん白質飼料群では血漿CHOL濃度は低い傾向にあり, 実験1では有意差があった。 2) カゼイン飼料群では, 1% CHOL食による肝臓CHOL濃度の上昇は最も顕著であり, 全卵たん白飼料群では最も少なかった。 3) ラットにおいても, 食餌たん白質の種類によって血漿, 肝臓のCHOL濃度に違いが出る可能性が指摘された。このような差異はたん白質のアミノ酸組成の違いや特定のアミノ酸の相対的濃度の違いなどにより生じると推察された。