生鮮品および加工品のフグ種を簡便かつ迅速に鑑別する方法を検討した.分析手段として,単独プライマーによるPCR増幅産物の多型を解析するRAPD (random amplified polymorphic DNA)法を用いた.DNAの抽出およびPCRは市販のキットを使用し,増幅産物の検出にはポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた.40種類の市販のRAPDプライマーにより得られたPCR増幅産物のパターンを検討し,その中から2種類のプライマーを選抜して個々に適切なPCR条件を設定することにより, 8種類のフグ種の鑑別が可能なRAPDパターンが得られた.確立したRAPD法をフグ製品26試料に適用した結果,原料フグ種の鑑別に有効な方法であることが示唆された.