2014年,川崎市において,チョウセンアサガオ類の根を家庭菜園で栽培したゴボウと誤認したことによる食中毒が発生した.調理済み喫食残品である根の一部では形態学的鑑別は困難であったため,LC-MS/MS分析を行ったところ,調理済み喫食残品からアトロピン,スコポラミンを検出した.喫食残品とチョウセンアサガオ類およびゴボウの,DNAバーコーディングによる遺伝子鑑別を行った結果,喫食残品はキク科ではなくナス科の植物であることが分かった.LC-MS/MSによる分析とDNAバーコーディングによる遺伝子鑑別の結果を併せて,喫食残品はチョウセンアサガオ類と同定した.