平成20~24年度に文科省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)コンソーシアムとして日本国内(八重山諸島,宮古島,沖縄本島,佐賀県,兵庫県,宮城県,青森県)の高校と共同で,Y染色体DNAとミトコンドリアDNA(mtDNA)のハプログループを解析し,日本各地における頻度分布を調査した。その結果,Y染色体ハプログループに関してはDE*は佐賀県,青森県と比較して,琉球地域で高い割合を示した。ハプログループC1は佐賀県,青森県と比較して,琉球地域で高く,逆にC3は佐賀県,青森県と比較して琉球地域で低い結果となった。ハプログループO2b1は沖縄本島において低頻度を示したが,O2b*, O3の頻度は地域間で大きな違いはみられなかった。mtDNAに関しては,佐賀県,兵庫県,青森県と比較し,琉球地域においてハプログループM7aは高頻度を示し,N9aは低頻度を示すことがわかった。N9bは頻度数値がどこも小さいが,青森,琉球地域に対し,中間に位置する兵庫・大阪・京都と佐賀が比較的低かった。日本本土と琉球地域ではY染色体DNAとmtDNAのハプログループの頻度に違いがみられることがわかった。