副詞は文中で複数の位置に生起する。小泉・玉岡(2006)の文処理実験は,4種類の副詞(陳述の副詞,時の副詞,様態の副詞,結果の副詞)について,処理にかかる時間に基づき基本語順を示している。その際,様態と結果の副詞はともに動詞句副詞とされ,S Adv OV( Adv は副詞)またはSO Adv Vが基本語順であるとして,両副詞を区別してはいない。本研究では,毎日新聞9年間分の新聞コーパスを使って,様態と結果の副詞が文中でどのような位置に出現するかを検索した。その結果,様態の副詞は,(S) Adv OVが48.4%,(S)O Adv Vが50.0%で,両方の語順がほぼ同じ頻度となった。一方,結果の副詞は,(S)O Adv Vの語順が80.7%で,(S) Adv OVの語順は18.0%で,動詞句内の動詞の前の位置に頻繁に出現し,(S)O Adv Vの語順を作ることを示した。