食用黄色4号(Y4)使用表示のあるきゅうりのしょうゆ漬けからY4以外に検出された2種の黄色色素について構造の解明を試みた. LCによる分析の結果,黄色色素はY4と異なる保持時間,極大吸収波長を示し,さらにマススペクトルよりY4からスルホン酸基が1つ脱離したものと考えられた.Y4の付随色素としてスルホン酸基が1つ少ない2種の色素が報告されており,各種スペクトルデータの比較から黄色色素はこれら2種の色素であることが示唆された.そこで,これら2種の色素を合成し,LCおよびLC-MSを用いて試料由来の黄色色素と比較したところ,保持時間,極大吸収波長,マススペクトルにおける主なフラグメントイオンが完全に一致した.この結果,試料由来の黄色色素はY4の低スルホン化色素であることが確認された.