農産物中のジフェニルアミン分析法として,ジフェニルアミンを試料から酸性条件下アセトニトリルで抽出し,C18ミニカラムで精製した後, n -ヘキサンに転溶,PSAミニカラムで精製した後,HPLC-FLで定量し,LC-MS/MSで確認する方法を開発した.開発した分析法を用いて,玄米,とうもろこし,大豆,ばれいしょ,キャベツ,なす,ほうれんそう,オレンジ,りんごおよび茶の10農産物に対し,残留基準値濃度での添加回収試験を行った結果,真度76.7~94.9%,併行精度0.6~5.8%の良好な結果が得られた.また,本試験法は一律基準値レベルの検出感度を有していたため,ジフェニルアミンの分析法として有用と思われた.