代表的な乳幼児用玩具の1つである粘土を対象にHPLCを用いた着色料の試験法を確立し,実態調査を行った.試料は小麦粘土10品目,米粘土2品目,とうもろこし粘土2品目,紙粘土3品目および樹脂粘土3品目の計20品目とし,HPLCでは許可着色料12種類および指定外着色料25種類を測定した.その結果,6歳未満の乳幼児を対象とした粘土15品目のうち,小麦,米およびとうもろこし粘土(計13品目)は食品衛生法に適合していることが確認されたが,紙粘土(2品目)からは指定外着色料の溶出が認められた.また,食品衛生法規制対象外である対象年齢6歳以上の紙粘土や手芸用材料である樹脂粘土でも同様に測定対象外の着色料の溶出が示唆され,印刷インキやプラスチックなどに用いられる顔料が使用されていることが推測された.