運動能力に対するアルコールの身体に及ぼす影響は, 白人についてはいくつかの研究がみられるものの, 日本人についての研究はほとんどみられない. 本研究は, 日本人についての最大下作業時での心拍数に及ぼすアルコールの影響の有無を明らかにすることを目的とした. 測定にはモナーク社製自転車エルゴメーターを用いた. 作業負荷には360, 540, 720kpm/min, または540, 720, 900kpm/minの3種を用い, おのおの4分の作業後, 負荷強度を漸増した. 各負荷での心拍数は3分目から4分目の心拍数とした. 被検者は, 体重1kgあたり2mlのウィスキーを飲んだ後, 30分して作業を開始した. その結果, アルコールは心拍数には影響を与えないことがわかった.