本研究は近郊農村の体育・スポーツを問題にしている. 調査は福岡県糸島郡前原町を対象地域とし, 1965年と1971年に実施された住民のスポーツ活動に関する調査を中心に, その6年間の変化と問題について考察した. 町の体育・スポーツは, この6年間は総じて停滞していた. それに関係すると考えられる要因は次のとおりである. 1) 自由時間などの生活上のゆとりが増えなかった. 2) 住民の生活の変化と若年層人口の減少. 3) 住民の生活と意識の多様化と一日行事を中心に展開される社会体育行政とのずれ. 4) 日常使用可能な施設の不足と社会体育予算の伸び悩み. 5) 社会体育振興に対する住民の非好意的態度の増加.