冬季オリンピック大会の成績と体格との関係について, 相関並びに回帰係数を用いた研究は, 体育学研究その他の文献を見ても皆無であることから, 第11回冬季オリンピック札幌大会について調べた結果, 次のことがわかった. 1) 各競技種別における参加選手の身長と体重との相関係数は, 高いあるいはかなり高い. 2) 日本選手の体格は, ほとんどの競技種目において劣っている. 3) 体格と成績との関係は少数の種別において, かなり高いあるいは低い相関係数が算出されたが, 全般的には高いとはいえない. 4) 体格が成績に及ぼす影響は, 少数の種別に有意性が認められたが, 全般的には大きな影響を及ぼしているとはいえない. 5) 体格と成績との関係が高く, 体格が成績に影響を及ぼす種別が存在することは, 平等な成績評価をする立場からすれば, 無視できないことであると考える.