本稿は母親達に対するフォーカス・グループ・ディスカッション(FGD)及び独自に実施したアンケート調査の結果から、保育サービス需要における質と価格の関係を分析した。主な発見は以下の通りである。第1に、大卒以上で賃金水準が高い母親ほど保育の質に対するこだわりは強く、良質な保育サービスを受けるために高い保育料を支払ったり、転居したりするといった経済的な負担を厭わない傾向が観察された。第2に、大卒者とは対照的に短大卒以下の専業主婦グループは、保育料に敏感な上、保育サービスを利用する際に利便性を重視する傾向がみられた。第3に、こどもの年齢や性格によって、需要する保育サービスの内容や質の評価は異なっていた。