食品と清酒と相性評価に影響する要因の検証から,次の結果を得た。 (1)食品と清酒を飲食するインターバルは5秒以内が目安と考えられた。 (2)食品と清酒との相性は,清酒を味わってから食品を味わうときの相性感性に比べ,食品を味わってから清酒を味わうときの相性感性に強く影響された。その影響度は約1対3と見積もられた。 (3)味覚意識の置き方による相性への影響は軽微であった。これは検証の仕方に問題があると考えられた。 (4)食品を味わってから清酒の飲むとき,高い頻度で食品から清酒への味覚リクエストが生じた。味覚リクエストは相性評価に影響すると考えられた。 (5)相性に関する先入観は相性の良否に直結する清酒の品質に影響した。 (6)検証結果を踏まえ,食品と清酒との相性評価法を設定した。