スポーツチーム別基礎運動能力の実態とそのスポーツ活動成就に対する貢献度を検討するため, 高等学校の男子運動部員(9種目) 394名と非運動部員50名に体格, 身体機能及び運動能力の領域から選ばれた16項目の測定を実施し, 得られた結果に多次元統計解析を適用し, その実体を明らかにすることを試みた. その結果, (1)基礎運動能力の優れているチームとして陸上, バスケットボールが, 劣っているチームとしてテニス, 非運動部員が認められた. (2)スポーツ活動成就に対する貢献度については, 貢献が大と思われるチームとして野球が, やや大と思われるチームとして非運動部員, テニス及びサッカーが, 反対に貢献が小と思われるチームとしてバスケットボールが, やや小と思われるチームとして陸上, 体操及び柔道が認められた. (3)基礎運動能力因子に対する構成諸要因の貢献度を検討すると, 体操, 柔道以外のチームでは体格要因の貢献度が非常に大であることがわかった. また, 体格要因以外で貢献が大と思われる要因として, バスケットボールを除くと上・下肢の瞬発筋力, 静的筋力が上げられた. しかし体格要因の持つ影響を除去したのち比較すると, これらの結果は少し異なった.