正課体育の授業を体力増強の立場からとらえ, 運動量と質の問題をエネルギー消費の面から解明することを企図し, 運動の質をR.M.R., 量を運動量指数で表わすこととし,中学一年男子を対象として, 陸上, とび箱, バレーボール教材について測定した. 測定法は, 各授業をそれぞれ十数種の基本動作に分類し, 数名の被検者にダグラスバッグを着装させて, 基本動作の性質によって数分または数回実施させ, 単位時間あたりまたは一回あたりのR.M.R.を算出し, これを基にタイムスタディー法により授業のR.M.R.を算出した.従来のストップウオッチ法を改良し, テープレコーダーおよびビデオテープレコーダーを用いて分析の正確を期した. 結果は何れの授業においてもR.M.R.の平均は2〜3の範囲にあった. これは「ぶらぶら歩き」程度の弱い運動であり, また, 運動量指数からみた運動量の上からも不十分であり, 今後の授業計画は用具, 施設, 指導法などの改善が必要である.